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薬思健考

このコラムは、薬剤師が薬を通して思うことや健やかに生活するための考えをキーワードで紹介します。すべての方に当てはまるとは限りませんが、薬や健康生活の一つの考え方として一読いただければ幸いです。

第4回 薬は頑張っています、次は患者さんの番です

投稿日:2013年05月26日
尿酸値が10近くあった患者さんから聞いた言葉です。

尿酸はなんとなく厄介者のイメージ、漢字で書いても発音もいい響きではないですね。尿酸は遺伝情報のDNAやエネルギー物質のATPに含まれるプリン体が分解して作られます。従ってレバーや魚卵、ビールなどプリン体の多い食事だけを目の敵にする方もいますが、自分の体の細胞が古くなるとできるものなので食事にかなり気を付けてもなかなか尿酸値の低下に直結しないのはこのためです。痛風発作は足の指や足首など腫れて激痛が特徴です、風が吹いても痛いと言われることから痛風という名がつけられました。

この患者さんは、激痛の痛風発作を消炎鎮痛剤で治めた後、尿酸を下げる薬で尿酸値(基準3~7)が7点台まで下がってきたが、それ以下にはなかなかならない。その時主治医が言った言葉「薬は頑張っています、つぎは○○さんの番ですね」です。うまいこと言うお医者さんですねと感心しました。これ以上は薬を増やすのではなく、生活習慣から治療しましょうとのお話です。そのコツは1日の総カロリーを落とすことがまず重要ですが、焼酎はプリン体が入っていないと安心してのむのはいかがでしょうか。アルコールそのものが腎臓からのプリン体の排せつを抑えることがわかっています。ビールだけが悪いのではないのです。また、アルコール量が増えると酒の肴がプリン体の多いものになってしまいます。痛風専門医によるとあまり食事の制限をしなくても、お酒を減らすだけで劇的に尿酸値が下がる患者さんがたくさんいますとのこと。

ちなみに尿酸のかたを持つわけではありませんが、神様は無駄なものは何も作っていません。尿酸は私たちの体の中で適量のときには抗酸化作用を発揮しています。赤ワインなどのポリフェノールと同じ抗酸化作用で老化を予防している大切なものでもあります。尿酸だって頑張っています。

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第3回 老化は悪化ではない

投稿日:2013年04月17日
「老化は悪化ではない」 整形外科医 伊藤邦成のことば

織田信長が好んだ一節に「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか」があります。圧倒的な今川軍を桶狭間でわずかの手勢で猛然と奇襲をかけ破りました、その出陣前にこの節で一舞いしたことは有名です。人間の一生は所詮五十年に過ぎない、天上世界の時間の流れと比べたらまるで夢や幻のようなものである。命あるものはすべて滅びてしまうものであると訳され世の無常を表しているといわれます。しかしもう一つ別の解釈もあります。それは信長のようにどうせ人生は五十年だから思い切ってやってやろうと勇ましい感情を表現したもとの解釈です。いずれにせよ戦国時代から明治までは人生50年でした。

現在の私たち日本人は世界トップクラスの長寿国です、平均80年以上は骨も関節、筋肉、スジ(腱)、神経が元気にもってくれないと困ります。しかし、私たちの体は戦国時代と大差なく人生50年のままで、当時の信長より特別な進化はしていません。いや戦国、江戸、明治の時代よりも運動や食生活ではマイナスの要素が多いかもしれません。従って50歳を過ぎると自然に体を支える骨格筋系に不具合が生じ、肩腰膝が痛くなるのはある意味当たり前かもしれません。

伊藤先生は、老化は必ず痛くなるわけではないと言います。確かに白髪が増えも痛くはないし、若者にも痛みは発生します。関節が痛くなるのは、体からのシグナルがあったにもかかわらず無視し続けた結果、例えばひざ痛は膝組織が悪化し痛みを感じない許容閾値を超えてしまったからです。筋肉は使わないとやせ衰えます、骨は適度な負荷がないともろくなります、関節は動かさないと潤滑油不足で動きが悪く硬くなります。だから老化と悪化は別のものです。体や関節を動かす適度な運動や良い姿勢を保つ努力をしないで年のせいにするのは、自分の体に申し訳ないことです、症状の悪化は自分のせいなのです。関節など運動器の健康対策は、遅すぎる早すぎるはありません。自分のせいによる悪化は、今の自分が努力することで進行を抑え改善することができます、年だからと諦めないようにしましょう。「運動器の健康を保つには適度に動かすことが大切です、さらに言いますと普段から良い姿勢でいることがもっと大切です」と伊藤先生はいいます。ただし、このようなお話を聞くと、急に一念発起して激しく運動する方がいます。大切なのは正しい姿勢と運動の継続です。現在整形外科で治療中の方は、今の自分にあった運動は何かを必ず医師に相談し助言をいただいてから始めましょう。

老化は、だれにでもおこることです。しかし、悪化は自分が努力したら改善することができます。老化は悪化ではありません。

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第2回 まごたちはやさしい 

投稿日:2013年03月21日

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「まごたちはやさしい」 横山みさ子ら多くの栄養士のことば

この言葉は、次のような9種類を意識してとることで必要なビタミンやミネラル、食物繊維までバランスよくとれる、よい食生活に欠かせないキーワードです。インスタントやレトルト食品、外食に偏りがちな生活を見直すきっかけにしましょう。

ま・・・・・豆類(豆腐や納豆、油揚げなど)
ご・・・・・ごま
た・・・・・卵
ち・・・・・ちち類(乳製品)
は(わ)・・わかめなど海藻類
や・・・・・野菜
さ・・・・・魚
し・・・・・シイタケ、シメジなどきのこ類
い・・・・・イモ類(ジャガイモのほかに山芋、里芋のヌルヌルもいい)

「おかず」という言葉は、「かずかず」たべるの意味です。七味唐辛子で七品目にはなりません。これがいいとテレビで宣伝されるとそればかり食べる、それが体に悪いといわれると極端に毛嫌いをする、食品の成分表はカロリーだけ見るなんって方がたまにいますね。9種類をバランスよく食べることはまさに日本のおふくろの味です、袋詰めばかりのふくろの味ではありません。「まごたちはやさしい」で糖尿病や高血圧、骨粗しょう症など生活習慣病を予防しましょう。1日のなかで9種類すべてとれるのが理想ですが、昨日乳製品が少なければ、今日は意識してとりましょう。2~3日の食生活で過不足を調整補正することで無理なく「まご食」を楽しめます。健康で長生きすると、優しい孫達に囲まれますね。

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第1回 カサネバダルフラは危険信号

投稿日:2013年03月01日

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第1回目は、「カサネバダルフラは危険信号」です。丸山淳二医師の言葉です。
昔の体育系クラブ活動は、ご存じの方も多いでしょうが、今では問題になるであろう罵声やパワハラ、シゴキは当たり前、時には体罰(鉄拳制裁)もありました。また、当時は汗をかいてバテテしまうからと運動中は水を飲まないように言われていました。これは、時に脱水という危険な状態を作ることをわかりませんでした。時代は変わり、現在はいかに効率よく水を補給するかが重要です。マラソンもサッカーなど休まないで動くスポーツでも、時間を見つけてどんどん水分を補給します。
私たち人間は、体の60%が水です。この重要な水が不足しないように補給するコツは、のどが渇く前に定期的に補給することです。熱い夏場だけでなく冬場も乾燥により脱水を起こします。1時間に100mL(コップ半分)で10回が目安です、そうすると食事からの1Lと合わせて1日必要量2Lは補給できます。いっぺんに水を大量にとると、水は利尿剤に変わりかえって脱水を起こします、いっぺんに入った余分な水を排泄しようと1.1~1.5倍の水を出します。ビールなどのお酒も同様に利尿作用があります。その証拠に、経験ある方もいると思いますが二日酔いの朝は「水くれ、水が一番うまい」となりますよね。
おしっこに起きるからと午後から夜は水を飲まない方、下痢をしていて水を飲むとまた下痢するからと飲まない方、風邪引いて熱があるとか吐いてしまうと水をのまない方、どの方も危険な脱水予備軍です。脱水が常態化するとそれに体が慣れてしまい、のどが渇いていることさえ分からなくなります。脳梗塞や心筋梗塞などいろいろな病気の原因になってしまいます。「カサネバダルフラは危険信号(丸山淳二医師よる)」です。つまり「ひふのカサカサ、口がネバネバ、体がダルイ、フラツク」は脱水症状です。繰り返しとなりますがのどが渇く前に定期的に水分補給することが重要です。

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